日本人は鈍いと、友人達が教えてくれました。
つまりは自分の好いているも鈍いという結論に達した。確かに言われてみれば、こんだけアタックしているのにも関わらず、態度は変わらないという結果だ。流石のスター、バッドも気落ちしていた。何で気付かない?
「他の奴等と一緒程度の対応が悪いんだろう」
「は?」
「お前女でも男でもハグする時はするだろ」
「?何か悪いのかよ」
「悪いだろ」
ハグをするのがいけないわけではないが、誰彼構わずやっている今の状態が悪い。
他の女にもやっていることを、にやっても気付くわけが無い。
「いやいやいや。の場合めっちゃギューッて」
「ハグの習慣無い日本人からしたら全部一緒だろ」
「マジで!?」
「寧ろベタベタ触りすぎて、イメージ悪くしてんじゃねーのか」
「嘘!?」
の中でドンとバッドが女たらしトップ2じゃなかろうか。バッドもそうだが、ドンも肩や腰を普通に触ってくる。
他の女と目に見える程度に格差を付けなければ、気付くはずもないだろうに。
「でもさあ。キチンと俺言ったぜ?しかもloveで」
「時と場所を選んで言ったのかよ」
「……皆で打ち上げしてる時に」
「帰りですらないのか」
「いや何か、こうノリで」
「駄目だろそれ」
ああああ駄目かぁあああ。言葉にされると余計落ち込む。
「まあもで鈍すぎるがな」
「それも有るよなあ!鈍いよな!」
「自分なんかそうなるはずが無いと思い込んでる節は有るな」
「…俺がに惚れるのは有り得ない?」
「そう思ってるんじゃないか?」
「………」
本当に時折、こういう時に自分がスターなのがちょっぴり嫌だと、バッドは思う。思ってもどうにもならないことを知っているから、あまり考えないようにはしているけれど。ああでも、やっぱり好きな人には自分を好いてほしい。そう思う。
「…手っ取り早く、唇にキスとかすれば気付くかな」
「嫌われたらそこで終わりだな」
「うああああだよなあああ。…いやでも雰囲気で流せば」
「お前のアタックにすら気付かないんだから雰囲気なんか作っても無駄だろ」
「………」
確かにそうかもしれない。
「何これ、俺もしかして希望無し?」
「…もう少し考えろよ」
「ええー…」
雰囲気作ってきちんと好きだと言えば(とりあえずは)良いということに、何故だかバッドは気付いてなかった。
何で先に行動に出ようとするのだろうか。いや別に悪くは無いのだが。
少し前、が映画を観ていて言ったことをクリフォードは思い出す。
『自分の気持ちを伝えてないのに、行き成りキスしたりとか、何か海外の映画は良く解らない』
彼女の価値観的には、そういうことらしい。つまりはキチンと互いの気持ちを言い合って、そうして付き合ってキスをするというのが彼女の理想と言うか、それに沿わなければ相手のことすら良く解らなくなるのだろう。夢見がちな女にありがちと言えばそれまでだろうか。
まあらしいとも思ったけれど。ハッキリしないと良く解らないのだろう。
「キチンと先に告ってみれば良いんじゃねえか」
「…あー…雰囲気作って?」
「好きだろ女はそういうの」
「まあ、なあ」
少しだけ考えてバッドは黙り込む。雰囲気作って、二人きりの時に真剣に彼女に告白する。
考えると結構恥ずかしいかもしれない。
でもそういうのもちょっと良いなと思った。映画だと告白すっ飛ばして、行き成り雰囲気でキスとセックスに行く場合は確かに多い。
相手が気付かないからって諦めたら、それはそれで自分が後悔しそうだから、それならちょっと頑張ってみようかとバッドは思った。
「…意外とクリフォードって相談乗るの上手い?」
「お前がウザ過ぎるんだろうが」
「ハハ、ありがとなー」
09/12/19
私がバッドに夢見てる気がする。