突然のことだったので一瞬だけは動きを止めた。その後直ぐに、目前の相手に言葉をかける。

「何故?」

そう簡潔に言うと、Mr.ドンは元の笑みを更に深くした。

「哀しいなぁ、

自分よりも少し大きな声かもしれない。でもうるさすぎないドンの声をは好んでいた。
本当に同い年なのかと思うこの目前の人物にはどうやっても、何をやっても追いつくことはないのだろうと時折考える。身長、体重、その他ステータス全て、この人には敵うことはないのだろうと、そう考える。そうしてこの人の考えることは一生解ることは無いのではなかろうかとも、考える。今この時、そうして先ほど何を考えて自分にあんなことをしたのかも全く解ることはなかった。端的に言うならばそう、謎だらけだ。

「それを俺に聞くのか?」
「聞きたくもなるわ。…日本にはそんな習慣無いの、知っているでしょう」
「知ってるさ。だがこちらも言わせてもらおう。の言う習慣は確かにこちらでは普通のことだが、唇にする習慣は無いな」
「…だから、何故?」

ドンの笑みは変わらなかった。まるで難しい問題を出して楽しんでいるかのような、出題者や教師に似ている。ドンの出す問題なんぞ自分なんかが解るわけがないと、は考えて答えを求めた。

「理由が解らない女じゃないだろう?

そう言ってドンは部屋を出て行った。
次に会うときどんな顔をして、どんな言葉を言えば良いのか全く解らずは頭を抱えたくなった。ああもう、本当にあの人は何を考えているのか、全く解らない。



09/03/27
まさかのドン夢。自分がビックリです。
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