「最近楽しそうね、王子」
「寝言は寝て言え」
「あれま、否定するの?楽しいでしょ?」

あの日本人の留学生と共にアメフトをするのが、楽しくないの?
クリフォードはほんの少しだけ考えた。何故だかに心の内を読まれるのは癪だった。

「楽しいとかじゃねーだろ。あのチビ足だけしか長所無いんだぞ」
「だからこそでしょ」

楽しくないって言ったら、嘘になるんじゃない?
ソファの後ろから抱きしめて、は何か含みを持たせるような声で言う。
多分行動に出ているのだろう。クリフォードは別に言葉にしていないのに、にばれているのが何だか悔しかった。

「楽しいわけじゃねえよ」

楽しいと思うことは無い。けれども。

「まあ…多分つまんねえって言ったら嘘になる」
「ぶっ、」
「笑うな」
「ごめんごめん」

耳元で笑われるのがイラつくのでクリフォードは首だけ少し横に動かした。身体は、そのままだったけれど。
何だかちょっと恥ずかしいとか感じるのは気のせいじゃない。何でこの女と居るとこうやって自分の調子が狂うのだろうか。悔しいけれど完全に負けたわけではないと勝手にクリフォードは思っていた。だからこそ勝てないことに気付いていない。

「王子は本当に天邪鬼だねえ」
「うるせえ。あといい加減名前で呼べ」
「ハイハイ。クリフォード」

少しだけ満足してやっとクリフォードはの方向を向いて顔を近づけた。



09/10/04
高校まで行ってセナの特訓してたってことは彼にも心境の変化が有ったんだろうなーと勝手に妄想しております。
意外と指導する側って向いてるんじゃないでしょうかね。
どうでも良いけど王子の相手は年上とか良いなあと思ってます。あのポーカーフェイスをどうにかするには年上しか居ない気がする。
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