バッド 

「お帰りー」
「ただいま」

玄関をいつもの通り開けて、コートを脱いでいたらバッドが玄関先までやってきた。にこやかに。あの俳優スマイルで。
その顔のままを抱きしめてキスをしていった。一回だけで良いだろうになんでこの男は額だの頬だの頭だの何回もするのだろうとはちょっぴり思うが、思っても口に出したことはなかった。されて嬉しいと思う辺り女だなあと思う。
荷物を持って歩いて帰ってきたから肩が凝ったし足もパンパンだなあとゲンナリしていたが、バッドに迎えられて抱きしめられているとそんなこと宇宙の彼方だった。

「あ、先に謝っとく。今日あんまり良い食材買えなかったから、パスタとサラダなんだ。疲れてるのにごめんね」

もっと良いもの買って作れたら良かったんだけど。ちょっと俯き申し訳なさそうにバッドは言う。

「っていうか、仕事休みなんだからバッドそこまでしなくて良いのに」
「俺がしたいからするの。ほらほらさっさと食べてイチャイチャしようー。洗濯物も畳み終わってるし、風呂も沸いてるからさ」

意外とバッドが世話焼きで家事が上手いのは、だけが身を持って知っていることだった。

バッドはねえ、個人的に良い旦那さんになるんだろうなあと。
だってアイツ完璧だからさ。炊事とか全部完璧だからさ。
そのくせ金も稼いでくるからね。何だこの男サイボーグが何かか?とヒロインに密かに思われてる。





 クリフォード 

「クリフォードが家事?え、今日はエイプリルフールじゃないよ
「いやーそう思うでしょ?コレがまたしてくれるんだな意外と」
「いやいやいや、マジで想像つかないんだけど。アイツがエプロンとかしてたら笑っちゃ…いや、目を疑うよ。王子って言われてるのに」
「ねー。いやでも、クリフはエプロンつけないんだよね。服が汚れたらまた買えば良いってさ」
「あーそこはクリフォードっぽい。…家事って何すんの?具体的に」
「んー、一番やってくれるのは料理」
「げーアイツが?何も考えずに好きなものとか金に糸目をつけない食材使ってそう」
「いや、何かあるもので作るよ。寧ろ買い物は行かない。謎なんだけど本当クリフの行動」
「はー、アイツがねえ」
「うん。……因みに今食べてるお菓子はクリフの手作りだよ」
「はあっ!!?うっそ!!??」
「うっそー」
「…………」

結局クリフォードが料理をするのかどうか解らなくなってしまったバッドだった。

何かやらせたら上手いんだろうけど、クリフは家事とかしてる様が思い浮かばない。
クリフォードが家事とかしてるかどうかは、結局他の人は見ることができないので解らないままです。






 パンサー 

「パンサーは料理の腕前おばあちゃん譲り」
「えーそうかな?」
「うん。…っていうか、作らなくても良かったのに」
が疲れてるんだから良いの」
「…ありがと」
「ニシシ」

多分パンサーの料理は大味っぽい。
不味くはないけど上手くもない。でも作ってくれるのは嬉しい。





 タタンカ 

「あ、置いといて良いのに」
「良いんダ。俺が洗う」
「でもタタンカの身長じゃ洗ってるのも辛くない?腰痛くなるかもしれないから良いよ」
「良い、ずっと洗ってるわけじゃないかラ。…は、その指に薬を塗って休んでおくと良イ」
「う、でも」
「…じゃあ、俺が洗うから、が拭いてくれるカ?」

目が輝いた笑顔を向けられて、うんと頷かれました。
タタンカは一緒に家事をしながら幸せすぎてヤバイと思っていたと思います。





 ドン 

「…あ、すご。美味しい」
「中々肩が凝るもんだな。ミキサーは便利だが意外と使いにくい」
「あー、飛び散ったりするよね。何か最初の分量と変わったりするの私」
「…それはお前だけじゃないか?」
「えーそうかな。…はー、幸せ」
「満足したか?」
「うん、大満足。ドンも一緒に食べてよ」
「お前のケーキだ」
「やーよホールケーキ一人で食べるとか。寂しいし太るじゃない。せめて半分食べてよ」
「全く…。ならこっちに来なさい」
「ん」

ドンの足の間に入ってドンが淹れた紅茶を飲んで、自分のために作ってくれた誕生日ケーキを一緒に食べました。
こんなことをするのは本当この女だけだなあと苦笑しながらも、何故かそれが自分も満足いく行為なのでこれくらい別に良いかとドンは思います。




11/06/01
彼等は炊事洗濯しても格好良くて完璧なのだろうなあと思った産物です。
バッドだけ今までのと毛色が違うのですが、そこはまあ置いといてください。台詞だけだとあのウザッたさは表現できなくて。
ドンは何でも出来る人。クリフは出来るけどそういうことは人前でやらないと思う。
バッドはマジで何でも出来る。タタンカは人並み。パンサーはぶっちゃけ酷い。
でも過程とかを一緒に楽しんでくれるのはパンサー。何買うかを考えるとか一緒に買い物行くとか、そういうのはヒロインと一緒に楽しくしてくれる。
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