伊知郎さんは、結局自分自身に関しては自信を持てない所が、有ったりすると思う。
だからそんな事を聞いてくるんですよね?

「今更だけど、…俺で、平気なのかな?」
「何が?」
「いやその、…アメフトでそんなに時間を取れるわけでもないし、…俺は外部受験するし。あー…告白を受けてこんなこと言うのも何なんだけど」
「うん」
「君の相手が、俺で本当に良かったのかなあ、と」
「うん」
「…思ってだね…」
「うん」
「………」
「………」
「………ええと、…俺話題を沢山持っているわけではないし」
「そうかな?アメフトの話も、部活の話も、勉強の話も、本の話も、とても楽しい」
「…あー…その、」
「つまり伊知郎さんは、何で私が伊知郎さんを好きなのか疑問で、何で付き合っているのかと」
「…その通りです」
「うーん」

「私ね、伊知郎さんを好きになるのに理由なんて要らないと思う」
「…え、」
「好きになった切欠はこう、優しくされたからとか色々有るけど、でも別に伊知郎さんのみに優しくされたってわけでもないわけですよ」
「うん」
「けど、伊知郎さんに優しくされたから、気になって、好きになってったんだよね。他の人に優しくされても、…例えば後輩の桜庭君に優しくされただけじゃあ、多分好きにはならなかった。流石慣れてるのかなーって」
「…うん」
「だから、伊知郎さんを好きになるのに理由は要らないし、好きでもない人と付き合う気は無いので、伊知郎さんと付き合っているのが今一番良好な状態なわけです」
「……うん」
「部活のアメフトやってて、お医者さん目指してて、外部受験頑張ってる伊知郎さんを好きになったんだから、そのまんまの伊知郎さんで居てください」
「…本当にそれで良いのかい?」
「いーの。その代わり、…受験終わったら、ええと…デートとか、してほしいなあと…」
「…うん、勿論」



09/10/16
高見さは自信持てないものにはもの凄い消極的か劣等感を抱いていると勝手に思ってます。
多分自分はつまらない人間だなあとも、ちょっと思ってる。
彼女さんを笑わせられるトーク技術を持ってないから、結構自信が無くなったりする。
練習を積んだアメフトならそんな事ないのになあと、更に自分で追い討ち。
彼女さんにきちんと言葉で言ってもらえないと、ずーっと悶々と考えてそうです。
この後多分きちんと彼氏彼女らしくなっていくと思われます。
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