思っていた以上に、一緒にいたんだとその時になってようやく気づいた。

恋仲なのだから、一緒にいるのは至極当たり前のようにも思う。だけれども、朝から晩まで本当にずっと一緒とは言えない。一人になりたいときだってあるから、時折傍から離れることだって普通にある。
だからこそ、そこまでずっと一緒にいるとは思っていなかったのに。

思っていた以上に一緒にいる関係だったようである。だって、今こうやって寂しさを実感しているのだから。

たった二日いないだけなのである。一日会わないなんて、冒険中はざらにあったりするのに、何という体たらく。どうしたものか。自分が少々謎だった。クエスト中は平気なのだろう。何というか、どこまでも冒険者器質らしい。
でも、こうやって何も無い日に一人きりというのは、寂しいと感じている。案外自分がきちんとした女で、思っている以上にあの人のことを想っているのだと気づいた。今更すぎて自分自身にビックリだ。

早く帰ってきてほしいと、考えてしまっている。あと一日はかかるのを知っているし解っているのに、だ。そうか、もしかしてこういうのが恋する乙女と言うやつか。自分がそういうものに当てはまると思った瞬間軽い鳥肌が立った。それでも、クレイが早く帰ってきてくれるのを願っている。
思っている以上に、自分は彼が好きなようだ。解っていたのに、更に気づいてしまった。

窓の外から見える景色に、早く愛馬に乗った彼が見えると良いなと思って、はその窓の鍵を閉めた。



11/03/20
クレイが好きだなあとやっぱり思ってるのは私です。
Page Top