「はあっ!?断った!?」
「………」
「なっ、んで、また」

お前ら良い雰囲気だったのに、と李典は零す。
密かに思っていた女官から所謂愛の告白を受けたというのに、楽進は断ってしまったという。何でだ、どうしてそうなった。

「……ちょっと、気が動転しすぎまして、」
「…おぉ」
「若輩者で、未熟な自分故、………何故か、断りの返事を、していました」
「馬鹿かお前!?」

李典の言葉通り自分は本当に馬鹿だと心の底から思った。

『じ、自分は若輩者で未熟なので、っ申し訳ありません…!』

そう言って楽進は真っ赤な顔をして彼女から離れたのを今でも鮮明に思い出せる。いっそのこと忘れてしまいたいというか、なかったことにしてもう一回やり直したいがそんな都合の良いことできるわけもない。
何と言うことをしてしまったのか、勿体ないどころの話ではなく、ここまで自分が馬鹿だとは思わなかった。

それ以上に、彼女を傷つけてしまった。

「おま、とりあえず謝って自分から言い直せ!」
「ゆ、許してもらえるでしょうか…」
「それでもう心変わりされてるんだったらそれだけの女だったってこったろ」
「……」
「謝るにしたって早めのが良いだろうが!」

おらさっさと行って来い!と背中を思いっきり叩かれる。
楽進は心優しい彼の心情に感謝して頭を下げ、走り始めた。



13/04/21
何かテンパりすぎて告白断ってしまうんじゃないかという妄想。
この子本当可愛いです好きです。犬みたいな子が本当好きです。
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