万古長青

「…お前はいつまで経ってもそのままだな」
「え、何が?」
「全てが」
「そうかー?ちょっとずつ変わってるつもりなんだけどなー」

首の後ろを掻きながら燕青はそう言った。にそう言われたのが意外だ。自分がどんな風に変わってきたかは、が一番見てきたであろうに。
こればっかりは悠舜でも秀麗でも、ましてや柴凛でもなく、彼女が一番理解していると思うのだが。茶州に居たとき、その後、そうして今。一番近くで見てきた人は度々変わるが、ずっと、この長い間関わってきたのはのみである。
何よりの大きい変化は、と恋仲になったことではないだろうか。この心情変化は結構大きいと思うのだが。

ちょっと悩んでいると、が微笑んでるのが見えた。最近の彼女は、自分の前でもよく笑うようになった。
以前は家族の前でくらいでしか、こんな風に綺麗に笑うことはなかったのに。その事実を燕青は嬉しく思う。

「解らないなら、良いさ。私が勝手に思っていることだから」
「えー、何か気になる言い方だな」
「いや。…お前は本当に、変わらない」
「そっかなー」



の髪って綺麗だなー。すっげーさらさらしてる』
、あんまり無理すんなよ』
『なあ、もっと威厳のある髭とかって、どうやって生やせば良いんだろうなあ』

出逢ったときから変わらなかった。燕青はいつも、燕青のまま。
多分、この後も変わらないのだろうとは感じていた。ただの直感だけれど、何となくそうなのだろうと勝手に思った。燕青は、多分このままずっと、燕青のまま。
どうしてなのか解らないけれど、は堪らなくそれが幸せで嬉しく感じた。



11/10/08
万古長青(永久に変わらないこと。青々としていつまでも変わらないことから)
もう字も意味もそのまま燕青だなあと。彼はおじいちゃんになっても、彼のままなんでしょうね。
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