両手広げて待っていて

帰宅したのは、朝日も昇りに昇った時間だった。定時で帰るどころか徹夜してもう昼の時間である。
公休日に入る前に徹夜してでも仕上げなければいけない仕事だったけれども、やはり疲れるし精神的にも辛くなってくる。もう今日はこのままずっと起きてたほうが身体の時間を崩さずにいれて良いかもしれない。そんなことを考えながら、邸の扉をくぐった。

「おぅ、おかえりー」
「…ただいま」

居間にいるのはもう随分見慣れた燕青だった。燕青も公休日なのだからいるのが当たり前だし、もう昼間も近いのだから起きているのが普通だ。だがこうやって両手を大きく広げて抱き寄せられて、出迎えられるとは思っていなかった。背中に回された燕青の腕は温かく、じんわりと熱が伝わってくる。生ぬるい温かさだけれど、何故だか心地よかった。
燕青の匂いがする。のあまり働かない頭は、何故だかその燕青の匂いを吸い込むように大きく呼吸するよう働いた。緊張していた身体がほぐれていく気がする。
唐突に、はああ、自分はやっぱり燕青が好きなんだと、思った。
暫く燕青に抱かれていたは、心地良い感覚に逆らえずに瞼を閉じた。



11/11/11
燕青かなーと思って。帰ってきてぎゅーってしてくれそうじゃないですか。
お題:LUCY28
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