リク:彩雲国・玉夢・工部女官

「欧陽侍郎」
「……」
「とうとう耳が遠くなりましたか」
「…貴方こそ耄碌しましたか」
「馬鹿なこと言ってる暇があるならこっちの案件通してください」

そう言っては書簡を渡してくる。玉はこの頭はそこそこ良いし審美眼もそこそこあるしそこそこ仕事のできる女官をそこそこ気にいってはいるが、たまに馬鹿なのが傷だった。場合によっては傷だらけだ。
臨時措置で碧州州牧になった欧陽玉は固まりきったこめかみを揉みながらため息を吐いた。

「馬鹿はどちらですか。言い間違えをいい加減に直したらどうです」
「……ああ!」

そこでぽんと手のひらを叩く。

「これは失礼しました臨時碧州州牧。しかし心が狭すぎて部下としては大変面倒だったりそうじゃなかったりです」
「よろしいこの案件とその案件とこちらの書簡も持っていきなさい」
「はあ全くお金持ちはこれだから人の気持ちが解らない」
「貴方もお金持ちの部類でしょうが無駄口叩かずさっさと動きなさい」
「ええ、ええ。動くのは構いませんよ。お給金頂けるのなら。それと後回しにしてるこの件は私ができることなので頂いていきますよ。顔色悪すぎるのもどうにかしていただかないと他の部下が余計な心配を回してきますよさっさと終わらせて一度寝てください」

ざっざかとさっき言い放った仕事量よりも多くの案件を持ち、はそのまま部屋を出て行った。
本当に、そこそこ仕事のできる女官を、そこそこ気に入ってるのはこういうところがあるからである。

少ししてからがこなした案件と共にお茶を持ってきて、嫁にするなら悔しいことにこの女なんだよなあと玉は思ってしまった。



17/11/11
私の頭がポンコツなので、工部女官で玉夢が全然出てこなかったので(時期的な問題が頭を巡ってしまって)何故かこうなりました。すいません。時期的に碧州州牧を臨時で任されたときです。これもこれで無いなあと思ったんですが玉が女官を相手にするとしたらやはり仕事ができる人だろうなあと…。
いつかちゃんと工部の女官を書きたいですが、玉って考えれば考えるほど部下に手を出さなそうで難産しそうです。
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