隣りの気配が動くのを感じて、は自然と目を覚ました。
「…静蘭目が覚めるの早いよ…」
「起こしましたか」
「っていうか、起きるって」
気配に敏感なのは知ってるだろうに何を言っているのか。というか、本当に起きるのが早い。何をする気だ。勉強か?鍛錬か?そんな馬鹿な。やるとしたら紅家の修繕だろうか。しかしこんな朝早くからするものでもあるまい。何でだろうか。
「目が覚めてしまうんですよ。こればっかりは習慣なので」
「………………、年…?」
「………」
「痛いイタイいたい!」
笑いながら頭をがっちり掴まれた。流石に静蘭の力だと痛い。しかし何も言わずにただそうやってくるということは、もしかして図星だろうか。まあ、言ったは良いが静蘭はそこまででの年でもない気がする。寧ろ今は朝起きるのが辛い辺りじゃないだろうか。
ある程度痛めつけて、静蘭は手を離す。そうして溜め息をついた。この女は本当に自分を何だと思っているのだろうか。確かに自分の方が年上ではあるが。
「習慣なんです。もどうせもう起きるでしょう」
「まーねー。顔洗って鍛錬して、食事もしないと」
そうやって二人は、いつものように朝の生活を始めるために起き始めた。
10/12/10
君を想う5つの情景
05 星が溶けゆく明け方