「あー…ちょっと仮眠とります」
「ああ、…いやちょっと待て、それならもう帰りなさい」
「いやいやいやまだ仕事あるんで無理です帰ったら起きれません」
「もう今日は良いから、帰ってきちんと寝なさい」
「無理ですよサガさんがまだいるのに」
「…私ももう少ししたら帰るつもりだから」
「サガさん意外と嘘下手くそですよね」
「………」

「っ、て、何でそのソファなんだ?せめて仮眠室に、」
「いやー無理です本当無理ですベット使ったら本気で起きれないです」
「だから、」
「仕事の締め切り解ってて言ってるんですかサガさん」
「……身体を壊したら元も子も、」
「大丈夫ですよ聖闘士ですから」

「気にしないでください。とりあえず…90分…かな。あ、でも、寂しくなったら起こしてくれて良いですよ」

おやすみなさい、と彼女はそのまま毛布を被って寝てしまった。

「………」

ただ一人、自分のペンの音だけが部屋に響く。
……いや、まさか寂しいと、思うなんて。


***


「もう、寂しくなったら起こしてって、言ったのに」
「………別に寂しくは、」
「はい嘘」
「……」
「だから帰らずに仮眠室も使わずにいたのに」
「!」

彼女は私よりも、私のことを解っているようだ。



14/02/11
お題:LUCY28
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