「えっカイルはフーのことが好きなんじゃないの」
「は?」
何のことを言ってるのかさっぱり解らなくて間の抜けた顔にしかならない。何て言った。今、えっ、今何て?
「はあっ!?何だそれ何で俺が!フーなんだよ!」
「えってっきりそうなんだと」
「違う!!」
っていうか今俺お前に告白したんですけど!?心の中で盛大に吼えた。どういうことだ今目の前のに好きだと、そう告げたのに、何だこれ。
「何でそうなるんだよ!?っていうか俺が今言ったこと聞いてたか!?」
「好きだ」と。今目の前にいるにそう言ったのがついさっきだ。
足はガクガクしてるし手も震えてるし鍛錬してるとき以上に鼓動は早い。端的に言うと凄い怖いしヤバい。よくこれでマリーに告白を吹っ掛けられたものである。ごめんマリーと今更ながらに謝る。
一世一代の告白だったのだ。共に住んでるからこれが駄目だったらもう関係を修復できはしないだろうと、覚悟して。周りにも気を遣わせるだろうから屋敷を出ることすら考えていたというのに。
だと言うのに!
声が大きくなってしまうのはもうしょうがないだろう。勢いで叫んでしまった。
「……フレデリカのことが、好きなんだと、ばっかり……」
「だから何で……、……」
眩暈がしそうだったが、そこでの顔が赤いことに気づいた。
「そっかぁ……」と小さく声が聞こえた。安堵したような、嬉しさが滲み出ているような、少し涙声のような、そんな声だった。
その顔は、その表情は、期待して良いのだろうか。
意を決して(いやさっきもそうだったのだが)、また腹に力を入れた。もう今度は怖くなかった。鼓動だけはとんでもなく早いのだが。を見つめてずっとずっと、想っていたことを伝える。
「、俺はが、好きだ」
耳まで赤いのはどちらだったか。貰った答えに思わず抱きしめたから、解らなかった。
18/11/11
カイルはとても良い男すぎるのでヘタレにならないように…と念を込めて書きました。多分PSYRENで一番良い男だと思います。あっ待って影虎さんも良い男だった良い男しかいない。
多分フーと一緒にいることが多いので勘違いされるだろうなって思ってネタ出しました。