村上君が大学一年になった話


付き合うことを鈴鳴支部の面々に伝えました。

「えっ先輩って来馬先輩と付き合ってたんじゃないんですか!?」
「ええ!? 違うよ!」
「ええ~~だって名前呼びじゃないですかお互い。先輩ってよくうちの支部来てたし」
「あ、……あ~なるほど。そう見えてたんだ。両親たちが仲良いんだよ。小さい頃から家族ぐるみで会ってたから、お互い名前呼びなんだよね」
「へえ~」
「そうだったんですか……」
「鋼も勘違いしてた?」
「……す、少し……」
「嘘吐けないよねえ鋼も」
「う、すみません」
「ううん、むしろ勘違いさせてごめんね」

***

「来馬先輩、もしかして先輩がうちに何度か来てたのって、来馬先輩へ用事があるだけじゃなかったんじゃないですか?」
「用事は確かにあったけど、それだけじゃなかったとは思うな~。電話やメールで済む用事ばかりだったしね」
「……だいぶ前から、両想いだったんじゃないですか?」
「でもそれを言うのは、ぼくじゃダメだったからね」
「フフ、一番じれったく感じる場所ですね」
「ねえ」



21/07/06
昔は辰也くん呼びだったのが、村上のことを好きになってから辰也さん呼びになったという経緯があるのですがそれは文字にするの死ぬほど面倒だったのでここで書いておきます。
来馬先輩は自分をダシにされてもあんまり怒らない。可愛いなあと思っている。そのせいで勘違いはされている。