何で自分はあんな行動をしたのかと、後悔している。
が自分を好いていた。それはとても嬉しい。幸せだとでも言うのだろうか。
彼女に触れることができた。何て自分は恵まれているのだろうか。
そうして、後悔した。
何故抱きしめたりしたのだろうか。何故自分が触れてしまったのだろうか。その場の雰囲気と流れだろうが、どうしてそんな浅はかで短慮な真似をしてしまったのか。後悔はしてもし足りない。この気持ちに気付いてほしかった。彼女が欲しかった。でも、いざ手に入れてみれば後悔しかなかった。
自分で彼女を幸せにできるとは、思えないからだ。
自分は汚れている。そんなことずっと解っていたことだ。それでも自分に恥じたことはない。自分に自信がないわけでもない。けれども自分は、汚い。汚れている。血にも欲にもまみれている。それはもう、洗い流すことも無かったことにもできない。
この自分が、に触れることは、できない。
後悔した。の気持ちに気付いてしまった。が自分の気持ちに気付いてしまった。でも、彼女を幸せになんてできない。
それでももう触れてしまった。愛してしまった。彼女をこんなにも想っている。
を幸せにできない自分が堪らなく悔しかった。だってどうせ、自分は。…自分は、そう、どうせ、将来どうなるのか解っているから。
幸せにできない、汚してしまう、共に生き抜くことも無理だろう。
ただ、後悔した。
どう頑張ってもを幸せにするのは自分ではできないのだ。悔しくて悲しくて、やっぱり自分の行動に後悔した。
に触れたのは、あの一回きりだった。